忘れたくないものメモ

届かないラブレター

世界でいちばん大好きな女の子と世界でいちばん大好きな女の子がいたわたしのこと

わたしには世界でいちばん好きな女の子がいるんですけど、その子は明日、見えなくなってしまうらしい。もっと言えば、わたしの世界でいちばん好きな世界は明日でなくなってしまうらしい。

世界でいちばん好きなかわいいかわいい女の子の名前は杏果ちゃんといいます。かわいくてやさしくて強くて、ばかみたいに真面目だなって思っちゃうような女の子です。大好きな世界の名前はももいろクローバーZといって、ばかだなあ、と思われるかもしれませんが、わたしはこの世界が永遠に続くんだと本気で信じて疑いませんでした。でも、この世界をいとおしいと思った人はみんな永遠を信じていたんじゃないかと思います(主語が広くてよくないね、でもほんとうにそう思います)。

卒業をしてしまうんだそうです。ももいろクローバーZから、アイドルから。ももいろクローバーZは五人から四人になってしまう、らしい。往生際のわるいわたしはまだ信じられなくて、最後のライブがはじまるまで二十四時間をきってもまだなんで、なんでってだだをこねています。

 

1月15日の月曜日にその発表はあって、昼休みにはいって、送らなければいけないファックスを送ってひと段落ついてデスクに座ってツイッターをひらいてスクロールして、それが目に入った瞬間、え?とあ〜、って同時に思いました。昼休みの時間、外をめちゃくちゃに歩いて、午後は一呼吸おくたび涙が溢れてきて、マスクしててよかった!風邪引いててよかった!って思いました。買ってた豆乳と牛乳は味がしなくてまずかった。帰りの電車はずーっと泣きながらドアにもたれかかっていて、気持ち悪かっただろうな。この日すぐにニュースや生配信で生の言葉を届けてくれるももクロはすごい、って思う反面、もう覚悟をきめたように落ち着いていた四人(けどあんな笑い方みたことなかったし、みたくなかった)も、晴れやかな笑顔で卒業します、突然ですみません、って謝る杏果ちゃんもみんな信じられなくて違う世界の出来事みたいで、なんで?杏果ちゃんなんで?ってぐちゃぐちゃに泣いて、ぎょうざ二人前を頼んでレモンサワーで泣きながら流し込みました。

火曜日は火曜日で超特急のコーイチくんの脱退発表があり、ああ地獄にきてしまったんだと思いました。2018年、地獄。あんなに楽しかった日々も大好きだったオタクとしての日々も全部気持ち悪くていやになって、アイドルオタクが自分が気持ち悪くて無理になってしまった。あんなに好きな子のしあわせを祈っているつもりになって、いざとなったら好きな子の選択を許すことも祝福もできなくて、人の人生を消費して、ほんとうに気持ち悪くて卑しくて地獄だ。呆然とすごして家に着いたらすぐふとんをかぶって寝た。

水曜は、いま大好きな二丁目の魁カミングアウトさんのフリーライブがあって、あああんなに楽しみにしてたのに、って悲しい気持ちですごしました。でもこの日はふしぎと昼ごろから落ちついて晴れやかな気持ちで過ごせたのは、きょうは大好きな人たちのライブがあるんだ、って気持ちでいられたからだと思っています。オタクの性!新宿タワレコの衣装展を見に行って店内で流れるバカ騒ぎの映像みてもなにも考えられなかった。杏果ちゃんの声をすぐにつかまえてしまう自分の耳が悲しかった。フリーライブに行くか、すごくすごく悩んで、こんな悲しい気持ちで行って楽しめなくて楽しめなかったって錯覚するのがこわくて、でも行かない後悔のほうがこわくて、行きました。最初、焦点が合わなくて遠くの世界の出来事をみているみたいな感覚であ、まだ来ちゃいけなかったって泣きそうになったけど、魔法みたいなパフォーマンスをみた。それからはすこしずつ好きだ、って気持ちで焦点もあって楽しむことができました!だれかを好きになる、ひとりの推しを決める、ということがほんとうにこわくなって、せめて箱推しになれたら、って気持ちがあったのに、この夜も推させていただいている方の表情が忘れられなくて苦しかった。もう負担になるような好きのしかたはしないからどうかすきでいさせてくださいと思った。きょうもたのしかった救われました大好きです、って伝えたくてどうしても手を握ってもらいたくて、特典会に行くのも悩んだけど、自分が浅ましくて気持ち悪くなって帰りました。好きなオタクが見つけてくれておはなしできてうれしかった!でも帰りの電車でまた無理になって、ぎょうざ二人前頼んで泣きながらレモンサワーで流し込みました。

木曜、なんだか落ち着いていてポヤーとしてしまって、でもわたしなんでこんなにぼんやりしているんだろう、って考えて、卒業脱退のことを思い出して悲しくなって、またなんでこんなにぼんやりしているんだろう、の繰り返しで、体が考えること拒否していたように思います。チケットがあたっていて安心して、買い物して入金してファミチキを食べながらぼんやり帰って、でもまた無理になって寝ました。

金曜はとにかく、この五日間長かった、って気持ちでいっぱいでした。涙はもうでなくなっていた。でもやっぱりずっと悲しい。行きたかったのにずっと開いていなかったラーメン屋がこの日はあいていたので、塩ラーメン食べてポテチ買って帰りました。人生でいちばん長い五日間だった。

 

卒業をあ〜、って思ってしまったのは、去年の夏行われた杏果ちゃんのソロコンツアー、その千秋楽でのアルバムが発売されます!との発表のときを思い出したから。杏果ちゃんの苦しそうに見えた表情とか、空気感とか、声とかご報告がありますって言葉で瞬間的にあ、もうだめだって思って頭が真っ白になりました。まあそのときは杞憂だったのですが、その感覚がずっと続いていて、その答えがいま来たのか、という気持ちです。杏果ちゃんがいってしまうことが、ももクロが五人じゃなくなってしまうってことが今でも信じられなくて、その反面、四人と杏果ちゃんの言葉を聞いて、四人のももクロを応援していく覚悟が決まったこと、ももクロが一生すきだよ、て思ったこと、それもまたほんとうです。信じるも信じられないも全部ぐちゃぐちゃになってしまっています。すごくふしぎな感覚。

ばか真面目で、ばか正直で、嘘がつけない杏果ちゃんのことだから、それくらい取り繕ってもいいんじゃないか、って思っちゃったこともあるくらい素直な杏果ちゃんのことだから、ふつうの女の子になりたいって言葉も、これからはなにも決まっていないって言葉も、わちゃわちゃは苦手だったって言葉も、つかれた、も、全部ほんとうだと思えます。そして、これはわたしの希望込みで、たのしかった、も、大好きも。

あ〜〜、五人が大好きだなあ、同じクラスにいたらきっと同じグループになっていないような五人が五人でいてくれることが大好きでした。わちゃわちゃは苦手だっていう杏果ちゃんの言葉にうそはないと思うし、そういうシーンも何度も見てきたし、最初はその空気感のリアルさがこわかったけど、夏の西武ドームすぎたあたりの、空気感が変わったようすを見て、あ、大丈夫だ!って確信してはじめてのアイドル現場へ足を運ぶ決心がつきました。米子の夜のことはあとから知った。

大丈夫って思ったあとの五人の、無理していっしょにいない、でもいっしょにいる、みたいな空気が大好きでした。杏果ちゃんがひとりでいても許される?っていうか、それが自然であること、すごくうれしかったし、でもやっぱりいちばんは五人が五人で楽しそうにしている姿でした。やさしくていつでも気を遣ってしまう五人だからそれぞれ思うことはあったのかもしれないけど、あの世界であり続けてくれたことわたしはすごく救いだったし杏果ちゃんもたのしかったのだと信じてやみません。ちょっと違うかもだけど、わたしはももクロのグループ全然ちがう五人感、女の子のグループ制度やカーストの呪いをといてくれているみたいで、大好きでした。あ〜〜ここ全然うまく伝えられなくてはがゆい!!おわり!!

 

ももクロに出会えてアイドルを好きになってから、わたしはアイドルとして生きることを誇りに生きるアイドルを、頭のてっぺんからつまさきまでアイドルなアイドルを、アイドルを愛するアイドルを愛してきました。だからこそ、アイドルとして生きるにはすこし正直すぎた杏果ちゃんを応援することは、正直、苦しみを伴うものでした。でも杏果ちゃんはわたしが杏果ちゃんを好きになったその日からいまこの瞬間までいちばんの推しだったし、杏果ちゃんに出会えて杏果ちゃんを好きになれて杏果ちゃんを好きでいられた日々、ず〜〜〜〜〜〜〜〜っと全部うれしくてたのしかった!!杏果ちゃんが好きです、かわいいお顔もちっちゃくてかわいいところも好き、さらさらでつやつやの黒髪が大好きで、ハーフツインの杏果ちゃんに一目惚れしたからずっと長い黒髪でいてほしかったけど、髪をきってボブヘアーになった姿すごくすごく似合っていてかわいくてきれいで、杏果ちゃんってずっとこうだったんじゃないかって思えてふしぎだった。杏果ちゃんの目のかたちが好き、ちょっとつり目でかまぼこみたいなかたちで、やわらかく笑って細められるのも、パフォーマンスのときの全部射抜きそうな鋭い眼光もみんな好き。ちっちゃいお口もかわいくて大好きで、うすい唇がきれいだなあって、抜けるような白い肌も相まって、どんなリップでも似合うんだろうなってずっと思っていた。杏果ちゃんはいやがるかもしれないけど、わたしエラ張り気味な人の耳からあごにかけてのラインが大好きで、杏果ちゃんはそのいちばんです。杏果ちゃんの歌声で落ちたといっても過言ではないから杏果ちゃんの声がずっと好き、すこしハスキーだけど甘い声、お呼ばれしたときに高くやわらかく語尾があがるかんじも、安心したときの甘えるようなこどもみたいなかわいいかわいい声(ソロコンツアーのとき、杏果ちゃんこの声でおはなししてくれていて、泣きそうなくらいうれしかった)も好きです。杏果ちゃんの大好きな声で聞こえてきそうな、晩ごはんの前に一日あったことを話してくれてるみたいな杏果ちゃんのブログが好きです。もう改めて言うのが恥ずかしいくらい杏果ちゃんの歌が好き!地獄までも天国までも届きそうなまっすぐで強い歌声が好き。でも杏果ちゃんの歌声って囁くようなやさしい歌がいちばん似合うと思っているから、わたしはそれがいちばん好きです。杏果ちゃんの歌声、すりガラスみたいだなあって思っていて、それが大好きだったけれど、五年?六年?をとおして杏果ちゃんの歌声がどんどんすきとおっていくなあってこと実感できたことすごくすごくうれしかった。苦しそうに祈るように決意そのものみたいに歌う杏果ちゃんがうつくしくて大好きだけど、砂にまかれても、ではじめて微笑みながら歌った杏果ちゃんをみたとき涙でた。歌いたい!って体全身で叫びながら歌う杏果ちゃんが好き!やっぱり杏果ちゃんはダンスもよくて、好きで、ていうかそもそも杏果ちゃんって動き全部かわいくないですか〜〜!?着ぐるみマスコットみたいな動きしちゃうときとかかわいくてかわいくてしんじゃいそうになる。真面目で頑固で意地っ張りで、そういうところも結局大好きだったな。きっときちんとした自分を見せたい人だと思うから、人一倍意地を張っているようなところもみてきたけど、なんだか全部杏果ちゃんらしかったな。見ててはらはらするようなとこも、全部許せるとは言わないけど笑、ああ杏果ちゃんだ!っていつもいつも思ってた!言い尽くせないけど、やさしいところが大好き。いつもいつもオタクに寒くない、大丈夫、って声をかけてくれてた杏果ちゃんも「嫌なことはぜんぶここに置いていってください」とか、「明日のみんなのがんばる力になればいいなって思います」とか、日常に戻っても強くいられるような、お守りみたいな言葉をくれる杏果ちゃんのことが大好き。杏果ちゃんの物持ちがいいところ、杏果ちゃんの人間性が如実に表れていて泣けてしまうくらい好き!ファンの言葉、起こった出来事を出来る限り拾い上げてくれようとしているところと番組で降ってきた紙吹雪や衣装の欠片を大切に保管しているところ、たしかに繋がっているように見えます。拾いきれないことも可能なかぎり拾おう、って決めているような杏果ちゃんの姿勢が好きです。忘れることがない日々を積み重ねて、って言ってくれた杏果ちゃん、すごく杏果ちゃんで大好きな杏果ちゃん、みんなみんな抱えて前に進もうとする杏果ちゃんが好きです。

四人をみて楽しそうにしている杏果ちゃんが大好き。五人でいてうれしそうにしている杏果ちゃんが大好き。杏果ちゃんが、れに、夏菜子、しおりん、あーりん、ってメンバーの名前を呼ぶときの声色が大好き。

思い出せない好きも、言葉にできない好きも、きっとまだたくさんあります。

 

ふつうの女の子なんてきっとつまんないよ、やめなよ、ってだだこねて泣き喚いて引き留めたかったけど、いまも引き留めたいけど、杏果ちゃんを、五人を好きになって彩られたわたしのふつうの一日一日はほんとうに、ほんとうにたのしかったからとてもじゃないけど言えなかった。オタクはふつうの女の子じゃないかもしれないけど!杏果ちゃんがアイドルとして生きてくれているあいだ、杏果ちゃんがやりたいと思うことみんなできますようにって願っていました。ふつうの女の子として生きていく杏果ちゃんにも、同じことを願います。杏果ちゃんがやりたいことみんなできますように、杏果ちゃんの生きる毎日が杏果ちゃんのいとおしいと思うものやことであふれていますように。

大好きな女の子たちによってつくられた心臓、杏果ちゃんに捧げたわたしの心臓は明日動くのをやめます。あさってからどうなるんだろうってわからないでいます。ただただこわい。杏果ちゃんのいない毎日がこわい。この五日間はとても長くて恐ろしかったけど、杏果ちゃんを失ってからの日々はきっとそれよりもずっと長い。杏果ちゃんの、五人のいない生活のやりかたなんてもう忘れてしまった。もう思い出せない。わたしはどうやって生きていけばいいんだろう?って思っています。わたしは夜の海がこわい人間なんですが、いま、街の灯りも灯台の光も見えない夜の海の真ん中で放り出された心地でいます。杏果ちゃんと五人はわたしにとって目印に違いなかった。今日がんばればテレビでがんばる五人が見られる、ユーストリームで五人に会える、今週がんばればももクロにライブで会える、たくさんきらきらもらってまた生きていける、そういう生き方をしてきたし、なによりわたしはすこしでも五人みたいに強くやさしくありたいって本気で思えたから、五人を目指してがんばろうって思えたから、いまその光を見失ったわたしは途方にくれています。ほんとうに恐ろしいです。こわい。でもとりあえずは、杏果ちゃんに注いできた好きの気持ちをすこしでも自分に分けてあげられるようがんばりたいです。杏果ちゃんのいない毎日を過ごしていかなければならない現実なので。

お疲れ様、ってわたしはまだ言えません。もしかしたら明日になっても言えないのかもしれません。大好きな女の子の最後のお願いを叶えてあげることができない、他の人みたいに杏果ちゃんのことを考えてあげることのできない祝福しきることのできない、自分のことばかり考えてしまうファンでごめんなさい。会ったこともないふつうの女の子に恋焦がれ続けること、きっと待ち続けてしまうこと、どうか許してください。でも杏果ちゃんの毎日が、一瞬一瞬しあわせばかり重なることを願う気持ちだけはほんとうだと信じたいです。大好きな女の子の今日が、明日という日が、あさってからの日々が、そして昨日まですべてがきらきら輝きますように。今日も今日とて、光れ光れきみのいる場所!